萩原朔太郎 短歌三首 明治三六(一九〇三)年十一月
はかなみて投げにし戀のおもかげの悲愁(ひしう)さそひて來るゆふべかな
かよわくて御國(みくに)はぐくむ歌もなし身は孤獨(ひとり)にてようる胸もなし
湧きむるもひとたび冷えし胸の血のゆらぎなればか詩はいたいたし
[やぶちゃん注:『明星』卯年第十一号・明治三六(一九〇三)年十一月号の「紗燈涼語」欄に「萩原美棹(上毛)」の名義で掲載された。萩原朔太郎満十六歳。因みに朔太郎の誕生日は十一月一日である。]
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はかなみて投げにし戀のおもかげの悲愁(ひしう)さそひて來るゆふべかな
かよわくて御國(みくに)はぐくむ歌もなし身は孤獨(ひとり)にてようる胸もなし
湧きむるもひとたび冷えし胸の血のゆらぎなればか詩はいたいたし
[やぶちゃん注:『明星』卯年第十一号・明治三六(一九〇三)年十一月号の「紗燈涼語」欄に「萩原美棹(上毛)」の名義で掲載された。萩原朔太郎満十六歳。因みに朔太郎の誕生日は十一月一日である。]