橋本多佳子句集「海燕」 昭和十一年 當麻
當麻
[やぶちゃん注:底本は「当麻」。「たいま」と読む。当時は奈良県北葛城郡當麻村一帯のの地名で、現在は葛城市當麻。本尊として祀られている當麻曼荼羅で知られる七世紀創建の二上山(にじょうざん)當麻寺(たいまでら)で知られる(現在、同寺院は高野山真言宗と浄土宗の並立寺院)。]
牡丹照り二上山(ふたかみ)ここに裾をひく
牡丹照り女峰男峰とかさなれる
[やぶちゃん注:金剛山地北部の奈良県葛城市と大阪府南河内郡太子町に跨がる二上山(かつては大和言葉による読みで「ふたかみやま」と呼んだが、現在の正式な読みは「にじょうざん」である)は北方の雄岳(五一七メートル)と南方の雌岳(四七四メートル)の双耳峰である。]
牡丹照り厨の噴井(ふきゐ)鳴りあふる