萩原朔太郎 短歌四首 明治三六(一九〇三)年十二月
相似たる人か木精(こだま)かひそみきて呼べば應(こた)ふる日なるが如し
ひよ鳥の啼くや朝雲寒うして人とすなほに別れけるかな
しら露におもひ消ぬべき心地して母なぐさめて摘む秋の草
夕月のさせば武藏の母もきてありし昔の夢さそふ夜や
[やぶちゃん注:『明星』卯年第十二号・明治三六(一九〇三)年十二月の「金鷄」欄に「萩原美棹(上野)」の名義で掲載された。萩原朔太郎満十七歳。]
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相似たる人か木精(こだま)かひそみきて呼べば應(こた)ふる日なるが如し
ひよ鳥の啼くや朝雲寒うして人とすなほに別れけるかな
しら露におもひ消ぬべき心地して母なぐさめて摘む秋の草
夕月のさせば武藏の母もきてありし昔の夢さそふ夜や
[やぶちゃん注:『明星』卯年第十二号・明治三六(一九〇三)年十二月の「金鷄」欄に「萩原美棹(上野)」の名義で掲載された。萩原朔太郎満十七歳。]