杉田久女句集 33 古日傘と蚊帳
照り降りにさして色なし古日傘
麻蚊帳に足うつくしく重ね病む
稻妻に面をうたす蚊帳かな
母の帶卷きつゝ語る蚊帳の外
コレラ怖ぢ蚊帳吊りて喰ふ晝餉かな
[やぶちゃん注:大正七(一九一八)年の作。この二年前の大正五(一九一六)年の夏、本邦ではコレラが流行、死者七千四百八十二人を数えた。これは呪(まじな)いではなく、れっきとしたコレラ感染予防の蠅対策で、小児の昼寝の際などには奨励された。]
蚊帳の中團扇しきりに動きけり
« 橋本多佳子句集「海燕」 昭和十二年 忌籠り | トップページ | 本日 »
照り降りにさして色なし古日傘
麻蚊帳に足うつくしく重ね病む
稻妻に面をうたす蚊帳かな
母の帶卷きつゝ語る蚊帳の外
コレラ怖ぢ蚊帳吊りて喰ふ晝餉かな
[やぶちゃん注:大正七(一九一八)年の作。この二年前の大正五(一九一六)年の夏、本邦ではコレラが流行、死者七千四百八十二人を数えた。これは呪(まじな)いではなく、れっきとしたコレラ感染予防の蠅対策で、小児の昼寝の際などには奨励された。]
蚊帳の中團扇しきりに動きけり