橋本多佳子句集「海燕」 昭和十二年 忌籠り
忌籠り
忌に籠り野(ぬ)の曼珠沙華ここに咲けり
曼珠沙華咲くとつぶやきひとり堪ゆ
曼珠沙華あしたは白き露が凝る
露のあさ忌にゐてをみなは髮を梳く
露のあさ帶も眞黑く喪の衣(きぬ)なり
曼珠沙華けふ衰へぬ花をこぞり
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忌籠り
忌に籠り野(ぬ)の曼珠沙華ここに咲けり
曼珠沙華咲くとつぶやきひとり堪ゆ
曼珠沙華あしたは白き露が凝る
露のあさ忌にゐてをみなは髮を梳く
露のあさ帶も眞黑く喪の衣(きぬ)なり
曼珠沙華けふ衰へぬ花をこぞり