『風俗畫報』臨時増刊「江島・鵠沼・逗子・金澤名所圖會」より逗子の部 鳴鶴が崎
●鳴鶴が崎
富士見橋を東方に渡りて南に往く此の處岬なり、里俗往昔賴朝公此處を通行ありて景色の秀美なるを眺め給ふ折りしも鶴啼き渡りて耳を掠めければ、賞觀(しやうくわん)ありて暫時休憩せらしことあり、鳴鶴(なきつる)が崎と呼ぶ、眺望濶くしって富岳江の島雨降山の嶺など遠く白波の末に連なり、實に佳絶勝絶の地といふべし。
[やぶちゃん注:「鳴鶴が崎」田越川に沿って逗子湾に落ちる低い峰の旧称。現在の桜山九丁目附近。]
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