日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第十一章 六ケ月後の東京 11 新聞売り
図308は、ニューズボーイというよりも、ニュースマンを示している。子供は新聞を配達させられるだけの信用を受けていない。彼は一本の棒の末端にぶら下げた常に新聞を入れ、棒の他端にある鈴を間断なくチリチリ鳴らす。廻る所を廻って了うと、鈴を取りのぞく。
[やぶちゃん注:底本では「ニューズボーイ」の直下には『〔新聞配達の男の子〕』、「ニュースマン」の直下には『〔同上の成人〕』という石川氏の割注が入る。「横浜開港資料館」公式サイトの「開港のひろば」のバックナンバーの「新聞販売店と新聞小政」で、明治一四(一八八一)年頃には横浜の弁天通り四丁目で新聞取次業を営んで、襟に諸新聞小政と染め抜いた印半纏に紺の股引・腹掛姿で、黒塗りの挟み箱を担いでは鈴を鳴らして市中で新聞を売り歩いていた安藤小政という兄いの鯔背な姿が彩色写真で見られる。モースももしかすると彼に逢っていたかも! ホンマ! 格好エエで!]
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