萩原朔太郎 短歌一首 うらゝかに俥俥と行きかへる けふしも年の初會なるらむ、
うらゝかに俥俥と行きかへる
けふしも年の初會(はつゑ)なるらむ、
[やぶちゃん注:底本筑摩版全集「短歌・俳句・美文」の短歌パートの掉尾にある「『草稿ノート』『書簡』より」より。これは先行する大正二(一九一三)年十二月一日附『上毛新聞』に発表した「古今新調」の中の一首、
菊
みちもせに俥俥と行きかへる今日しも菊の節會なるらむ
(ルビは排除した)の初案かとも思われる。
なお、前の「いといふの」「あかねさす」「かゞやける」とこの四首は底本では同じ時期に纏めて創られたもののように見えるように配されてある。]