鬼城句集 冬之部 茨の実
茨の實 茨の實を食うて遊ぶ子あはれなり
[やぶちゃん注:「茨の實」バラ目バラ科バラ亜科バラ属ノイバラ
Rosa multiflora の実。落葉性蔓性低木で日本のノバラの代表種でただ野薔薇というと本種を指す。花期は五~六月で枝の端に白色または淡紅色の花を散房状につける(種小名「花が多い」の由来)。個々の花は白く丸い花びらが五弁で雄蘂は黄色、径二センチメートルほどで香りがある。秋に果実(正確には偽果)が赤く熟すが(ここまではウィキの「ノイバラ」に拠る)、冬に近づくにつれて黒ずんでくる。晩秋の季語。その味は――私は食べたことがない――、こちらのまるで神農のように果敢に植物の実の試食を試みておられる、ジュラ2591 さん(女性の方のようにお見受けする)のブログ「また赤い実を食べてみた」によれば(改行を/に変えさせて戴いた)、『お口の中で噛んで見るとゴマ粒ほどの種がいっぱい出てきた/果肉はほとんど無い/食べられる部分は果皮と 種の周りに少しある果肉だけ/で 肝心のお味はと言うと/甘酸っぱいです 不味くは無いです/でも でも 食べられるところが少な過ぎ』とある。ジュラさんのこのご感想――実に「遊ぶ子」がそれを「食うて」いるのを見てはとてものことに「あはれなり」と感ずるに相応しいものだという気がするのである。]

