杉田久女句集 62 夕顔
夕顏に水仕もすみてたゝずめり
[やぶちゃん注:昭和四(一九二九)年三十九の時の作。「水仕」は「みづし(みずし)」と読み、台所で水仕事をすること。]
夕顏やひらめきかゝりて襞(ひだ)深く
[やぶちゃん注:昭和二(一九二七)年の作。]
夕顏を蛾の飛びめぐる薄暮かな
[やぶちゃん注:昭和三(一九二八)年の作。]
逍遙や垣夕顏の咲く頃に
[やぶちゃん注:昭和二(一九二七)年の作。]
夕顏を見に來る客もなかりけり
[やぶちゃん注:昭和四(一九二九)年三十九の作。個人的にこの夕顔句群、頗る附きで好きである。但し、以上に注した通り、実際には連作ではない。]