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2014/02/23

橋本多佳子句集「海燕」昭和十四年 湖畔雜章

 湖畔雜章1

 

霧昏れて落葉松(からまつ)にゐし吾よばる

 

いなづまに落葉松の幹たちならぶ

 

郭公は野の富士靑き夜を啼ける

 

寂しさの極みなし靑き螇蚸とぶ

 

[やぶちゃん注:「螇蚸」は通常通りの「ばつた(ばった)」と読んでいると採る。]

 

 湖畔雜章2

 

熔岩野(らばの)來て秋風の中に身を置ける

 

秋空と熔岩野涯なし歩みゐる

 

熔岩の原薊を黑く咲かしむる

 

富士薊日輪に翳するものなし

 

熔岩の砂熱きを掬び掌をもるる

 

[やぶちゃん注:老婆心乍ら、「掬び」は「むすび」と読む。両手を合わせて(本来は水を)すくう・掬(きく)するの謂い。]

 

地を翔くる秋燕ひとりの道をかへる

 

[やぶちゃん注:両章ともに、前注の通り、避暑した山中湖畔の「ニューグランドロッヂ」滞在時の吟詠である。]

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