橋本多佳子句集「海燕」 昭和十四年 貯炭場
貯炭場
トロツコを子が驅り北風(きた)の中を來る
子の凧があがり索道よりひくかり
塊炭を投げあひ凧をもたざりき
霧さむく火を焚く船へ子はかへる
[やぶちゃん注:「貯炭場」は一般には炭鉱の出荷まで貯めておく石炭置場や、火力発電所が燃料としての石炭を備蓄する場所をいう。推測に過ぎないが、福岡県大牟田市及び三池郡高田町(現在のみやま市)と熊本県荒尾市に広大な坑口を持っていた三井三池炭鉱のそれか。]
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貯炭場
トロツコを子が驅り北風(きた)の中を來る
子の凧があがり索道よりひくかり
塊炭を投げあひ凧をもたざりき
霧さむく火を焚く船へ子はかへる
[やぶちゃん注:「貯炭場」は一般には炭鉱の出荷まで貯めておく石炭置場や、火力発電所が燃料としての石炭を備蓄する場所をいう。推測に過ぎないが、福岡県大牟田市及び三池郡高田町(現在のみやま市)と熊本県荒尾市に広大な坑口を持っていた三井三池炭鉱のそれか。]