ブログ・カテゴリ 飯田蛇笏 創始 / 飯田蛇笏 靈芝 明治三十九年以前(五句)
ブログ・カテゴリ「飯田蛇笏」を創始する――
僕の愛する芥川龍之介が彼を愛し、また彼が芥川龍之介を愛したから――
それ以外に言うべき必要はあるまい――
まずは禁欲的な――と僕だけが感じたか――飯田蛇笏自選句集「靈芝」(昭和一二(一九三七)年改造社刊)の電子化からスタートする。底本は国立国会図書館近代デジタルライブラリーの画像を視認してタイプする――
飯田蛇笏(いいだだこつ 明治一八(一八八五)年~昭和三七(一九六二)年)は本名を飯田武治(たけはる)という――
……早大在学中に『早稲田吟社』の句会で活躍、同じ下宿の若山牧水らとも親交を深めて句作や詩作を重ね、小説も手がけた。虚子に師事するも、明治四二(一九〇九)年に家庭事情から早大を中退、二十四歳で郷里山梨県境川村に隠棲した。大正二(一九一三)年に小説家を見限った虚子の俳壇復帰とともに句作を再開、『ホトトギス』の中心作家となった。俳誌「雲母」を主宰、故郷境川村にあって格調の高い作風を展開した……と講談社「日本人名大辞典」やウィキの「飯田蛇笏」などには記す――
私はただただ芥川が愛した男であり(しかし芥川龍之介には生前遂に蛇笏と直接に対面する機会は訪れなかった)――その句が純粋に好きだから――だから――これを始める――
気紛れに注を附す――
では――
*
飯田蛇笏著
自選
靈 芝
句集
改造社
[やぶちゃん注:ここの目次が入るが、ブログ版では省略する。]
靈 芝
明治三十九年以前(五句)
春淺き草喰む馬の轡かな
草籠の蔭に雉子や春の山
芥火に沈丁焦げぬ暮の春
[やぶちゃん注:「芥火」「あくたび」とは海人(あま)が藻屑を燃やす火をいう。]
あら浪に千鳥たかしや帆綱卷く
鈴の音のかすかにひゞく日傘かな
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