献体した母の納骨された多磨霊園慶応大学医学部納骨堂――ここが僕の――おくつき――なんだなぁ……
死後、慶応大学医学部に献体した母の遺骨は多磨霊園の多磨霊園慶応大学医学部納骨堂に納められてある……
恐らく凡そ皆さんは信じられないと思うが不肖の僕は未だに母の墓参りをしていない……いや……今日まで――誰一人として母を参ってはいないのであった……
しかし今日――近くに住む私の親族から電話を貰い、話の中でその親族の墓所が多磨霊園にあること、母の遺骨がそこに祀られていることを話したところ……ついさっき早速に墓参をしたとのメールと画像を貰った……
母さん……待っててね……いつかは僕もそこに一緒に入るからね…………
*
……誰も――僕に語る必要などなかったのだ……退屈なのは君じゃなくて――僕――だった…………
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