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2014/02/23

萩原朔太郎「ソライロノハナ」より「若きウエルテルの煩ひ」(3)

君にとて投げたる謎のとけもやらで

この春くれぬ悲しからずや

 

    從兄、姉どちと京都に

    あそびて

はらからが朝院參西の院

比叡(ひえ)やゝ寒き梅に參うでびと

 

[やぶちゃん注:原本は「參(まう)うでびと」であるが、底本全集校訂本文と同じく衍字と判断しつつも、校訂本文のように「參(まう)でびと」という『補正』を行わず、本文原型を壊さないように「まう」のルビを示さずに「う」を残した形とした。]

 

野よりいま生まれける魂(たま)幼(おさな)くて

一人しなれば神もあはれめ

 

[やぶちゃん注:「幼(おさな)くて」の「幼」は原本では「※」=「糸」+「刀」であるが、以下の公開作から誤字と断じて校訂本文と同じく「幼」の字を採った。「おさな」のルビはママ。朔太郎満十六歳の時の、『明星』卯年第八号・明治三六(一九〇三)年八月号の「無花果」欄に「萩原美棹」の名義で掲載された五首の巻頭歌、

 

 野より今うまれける魂をさなくて一人しなれば神もあはれめ

 

と表記違いの相同歌。]

 

天地に水ひと流れ舟にして

君とありきとおぼへしや夢

 

[やぶちゃん注:「おぼへ」はママ。この一首は、朔太郎満十六歳の時の、『文庫』第二十四巻第三号(明治三六(一九〇三)年十月発行)に「上毛 美棹」名義で掲載された九首の五首目、

 天地に水ひと流れ舟にして我もありきと忘るべしや夢

の類型歌。]

 

菫つむと何時しか岡の三里こえて

迷ひ出でぬる桃多き里

 

[やぶちゃん注:原本では「迷ひ」は「述ひ」。先行例(本「歌群「若きウエルテルの煩ひ」五首目)及び全集校訂本文に従い、訂した。]

 

名なし小草はかな小草の霜柱

春の名殘と蹈まむ二人か

 

[やぶちゃん注:朔太郎満十六歳の時の、『文庫』第二十三巻第六号(明治三六(一九〇三)年八月発行)に「上毛 萩原美棹」名義で掲載された七首の掉尾、

 名なし小草はかな小草の霜ばしら春の名殘とふまむ人か

の類型歌。]

 

み歌さらになつかしみつゝ慕ひつゝ

忘れかねては行く萩が原

 

[やぶちゃん注:朔太郎満十六歳の時の、『文庫』第二十四巻第三号(明治三六(一九〇三)年十月発行)に「上毛 美棹」名義で掲載された九首の第六首目、

 み歌さらになつかしみしたひつゝ忘れかねては行く萩が原

の類型歌。]

 

花におちて花に歌えし身は胡蝶

戀のもだえに狂ひぬ惓みぬ

 

[やぶちゃん注:原本は、

 

花におちて花に歌えし身は胡蝶

戀のもたひに狂ひぬ惓みぬ

 

全集校訂本文は、

 

花におちて花に歌へし身は胡蝶

戀のもだえに狂ひぬ倦みぬ

 

である。「もたひ」の部分のみ、意味が通らぬので校訂本文を採った。]

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