杉田久女句集 43 蟲干やつなぎ合はせし紐の數
蟲干やつなぎ合はせし紐の數
[やぶちゃん注:「蟲」は底本では「虫」である。容易に想像がお出来になると思うが、「蟲」の字を生理的に嫌悪する作家は芥川龍之介を始めとして殊の外多い(書くのが面倒臭いという意味もあるかも知れない)。ただ私の筑摩書房一九六七年刊「現代日本文学全集 巻九十一 現代俳句集」に所収する「杉田久女集」を底本とした「杉田久女集」を見て戴けば分かる通り、そこでは当該字を含む三句ある総てが「蟲」と表記されている(但し、これは久女没後の選集であり、編者による編集方針で正字化された可能性も頗る高いから確実な証左とはならない)ことに鑑み、「蟲」とした。以下、同様の仕儀を行うが、この注は略す。]