「数学者に数式を見せたら、芸術的な「美」を感じる脳の部分が反応した――英国の研究者による実験結果」
「数学者に数式を見せたら、芸術的な「美」を感じる脳の部分が反応した――英国の研究者による実験結果」
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フェイスブックの友人の数学者が紹介していた記事を読んだ。
読みながらこんなことを感じた。……
……私は8歳の頃から NGC ( New General Catalogue 天体カタログ)を覚えたり、数式や化学式を意味も解らずノートに写すのが好きだった……そういう意味では私の眼窩前頭皮質はそれらに「美」を感じていたものらしい(今も予備校の広告の数式が載るそれを見ただけで暫くその前に佇んでしまう)……しかし残念なことに同じ頃から学校の算数が苦手になり、家に間借りしていた中学数学教師の特訓を毎夜受けては更に嫌いになり、中学に上がると決定的に数学を嫌悪するようになった(しかし相変わらず夏休みには図書館に行ってやはり訳も分からず原子物理学の専門書やオレンジ色の科学普及新書を書写することで独り悦に入っていた)……高三の時にはテストで人生最初で最後の「0点」をとったのも数学だった……私はサリエリみたような人間なんだろうか?――そういえば父は画家を目指したデザイナーで自称シュールレアリスト(瀧口修造を師とするから必ずしもいい加減ではない)であるが、私は小さなころから伝統画は無論、エルンストやダリやタンギーやラムをも偏愛しながら、これもおぞましいことに絵や彫刻の才能は全くなかった――私の眼窩前頭皮質若しくはそこから連動する数学や芸術へのシナプスは――きっと壊れてしまっているのに違いない……
などと考えたら、ちょっと淋しい気がした。……
などと考えたら、ちょっと淋しい気がした。……