篠原鳳作句集 昭和九(一九三四)年七月
向日葵の照るにもおぢてみごもりぬ
[やぶちゃん注:この妊婦は不詳(この時鳳作はまだ独身で、彼の子ではないので注意)。表現の親愛感から見ると、那覇市の歯科医に嫁いだ姉の幸がおり、また、鳳作の招きで同じく歯科医の実兄国彬(くによし)が同じ宮古島の平良港に開業していたから、この孰れかの親族の妊婦のようには思われる。]
枕邊に苺咲かせてみごもりぬ
夕立のみ馳けて向日葵停れる
ひまはり
向日葵は實となり實となり陽は老いぬ
[やぶちゃん注:以上、四句は総て七月発行の『天の川』の発表句。]
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