核 山之口貘
核
もうお年ですからと言えば
なにがこの青二才がと
老人は怒ってしまったのだが
年甲斐もない顔をしてまで
握っていたいもの
それはつまり若さなのだ
[やぶちゃん注:【2014年6月27日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」と対比検証済。初出注を追加した。】初出は昭和三七(一九六二)年十月二十九日号『全繊新聞』。同誌は全国繊維産業労働組合同盟の中央機関紙。
私は思うのだが――こう言い切れるところこそ――バクさんの若さ――詩人たる由縁――なのだなぁと――思うのだなぁ――]