杉田久女句集 148 寒風に葱ぬくわれに絃歌やめ
寒風に葱ぬくわれに絃歌やめ
[やぶちゃん注:大正八(一九一九)年二十九の時の作。「絃歌」の「絃」は広く和楽器の琵琶・琴・三味線などの弦楽器であるが、特に三味線を弾き鳴らして歌を謳う、「絃歌の巷(ちまた)」「絃歌さんざめく傾城の街」という風に用いるような、町屋や遊郭での遊興のさまをいう。私はこの「やめ」という命令形に久女を強く感ずる。]
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