篠原鳳作句集 昭和九(一九三四)年十一月
月光と塑像
月のかげ塑像の線をながれゐる
月光のおもたからずや長き髮
そそぎゐる月の光の音ありや
窓に入る月に塑像壺をかつぎ
背の線かひなの線の靑月夜
[やぶちゃん注:ここまでの五句が十一月発行の『傘火』の「月光と塑像」連作と思われる。同月の『天の川』にも載るが、それは頭の三句のみである。
壺を担ぐ乙女像というと……私は何をさておいてアングルの絵「春」(Ingres“La Source”)をイメージしてしまう部類の人間である(グーグル画像検索「Ingres La Source」。]
闇涼し蒼き舞台のまはる時
[やぶちゃん注:これは野外公演であるが、場所は不詳。時期的には宮古ではなく鹿児島か。何か、御存じの方、御教授を乞う。これは『現代俳句 3』(恐らくは鳳作没後の昭和一五(一九四〇)年に河出書房から刊行された「現代俳句」第三巻)の掲載句とある。以上、六句は十一月の発表句及び同パート(最後の句)に配されたもの。]
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