玩具 山之口貘
玩具
掌にのこつたまるい物
乳房のまんまの
まるい温度
それからここにもうひとつ
これはたしかに僕の物です と
あの肌に
捺した
指紋
[やぶちゃん注:初出不詳。本詩は表記通り、有意に行間が空く。原書房刊「定本 山之口貘詩集」では、この行空けはない。【2014年6月17日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」と対比検証済。】]
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玩具
掌にのこつたまるい物
乳房のまんまの
まるい温度
それからここにもうひとつ
これはたしかに僕の物です と
あの肌に
捺した
指紋
[やぶちゃん注:初出不詳。本詩は表記通り、有意に行間が空く。原書房刊「定本 山之口貘詩集」では、この行空けはない。【2014年6月17日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」と対比検証済。】]