橋本多佳子句集「信濃」 信濃抄二 (Ⅵ)
夫の忌に
月光に一つの椅子を置きかふる
いわし雲忌日きのふに過ぎゆける
[やぶちゃん注:既に述べた通り、夫豊次郎昭和一二(一九三七)年九月三十日に享年五十歳で逝去しているから、この年は死後四年目に当たる。多佳子四十二歳。年譜から夫の祥月命日もこの野尻湖畔で過ごしていたことが分かる。]
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