ベルナルド・ベルトルッチ「暗殺のオペラ」
光の眩暈――
音楽の絶妙さ(私はオープニング・タイトルのそれから完全に引き込まれた)――
アリダ・ヴァリが「彼」のために蚊遣をつける――
生ハムの、まさに饐えた美香が漂うあのシーン――
ターン・テーブルの上で踊るようなあの二人――
そしてエンディング……
カメラが右にパンすると、鉄路を覆う雑草――
それは総てがまさに仮構の町で起ったように……総ての僕たちが「彼」と見た話は幻のように消えてしまう……
TVドラマという制約上、音響や音楽の特に編集上のまずさが散見されるが、しかし、僕はタルコフスキイの作品を除いて、これはという作品を挙げよ、と言われれば、躊躇なくこの「暗殺のオペラ」を挙げる人間である――