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2014/03/15

萩原朔太郎「ソライロノハナ」より「若きウエルテルの煩ひ」(14)「晩秋哀悼歌」(総てが「ソライロノハナ」のみに載る短歌群) / 「若きウエルテルの煩ひ」了

 晩秋哀悼歌

 

      わが夢多き少年の日はこゝに終れり

      哀悼歌以後われ長く詩を思はざりき

すべて仇敵たれすべて愛人も

面(おもて)そむけぬ世は劫火たれ

 

[やぶちゃん注:「劫火」は原本は「却火」。誤字と断じて訂した。校訂本文も「劫火」とする。]

 

なまじいにつらき御胸をきく日なく

許すべかりしさいはひ人と

 

[やぶちゃん注:「なまじい」はママ。一首末原本は「さいはひ人ど」であるが、誤字と断じて「と」と訂した。校訂本文も「さいはひ人と」とする。]

 

いかんせん君に捨てられ思ひ子は

石となりても世にありがたき

 

君といふつめたく美しき石彫お

女神戀して身はやせにけり

 

執着の涙ぞせめておん髮に

涙となりても降りそゝげかし

 

われに一人あめつち代へぬ愛人の

ありて樂しときのふ思ひぬ

 

何となく美しければ戀しければ

君とよびしを罪ありやいな

 

火にくべて大方やくに惜しからぢ

いまは要なき歌のすてがら

 

[やぶちゃん注:「惜しからぢ」はママ。

 この一首の次行に、前の「歌のすてがら」の「の」位置から下方に向って、以前に示した特殊なバーが配されて、本「晩秋哀悼歌」歌群の終了を示している。また、これを以って大きな歌群である「若きウエルテルの煩ひ」の章を終わる。

 因みに、この最後の「晩秋哀悼歌」歌群は「ソライロノハナ」の中でも数少ない、類似歌稿の存在しない全く新発見の歌群である。]

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