文楽「イエスキリストの生涯」と能「聖パウロの回心」
文楽「イエスキリストの生涯」の讃美歌のオルガンとともに去ってゆく敢然とした勘十郎のイエス――そして能「聖パウロの回心」でバッハのパッサカリア(ハ短調BWV582)とともに演じられる後ジテ観世清河寿の清冽な復活のキリストの舞い――私は実に独り涙したことを秘かに告白したい……そうして――これは私への確かな黙示であった……
追伸:但し、能舞台で主遣が下駄を履かないために足と左遣が(特に足遣)見るからに痛々しい。まずは何よりも文楽「イエスキリストの生涯」は文楽劇場で演ぜられるべきであると強く思う。