杉田久女句集 186 父の納骨
信州吟(大正九年八月 病中吟とも百六十五句)
[やぶちゃん注:以前にも注したが、これらは大正九(一九二〇)年八月に信州松本に父の骨を納骨に行った際(恐らく二人の子を連れて)、腎臓病を発症、東京上野の実家へ戻って入院加療に入り、そのまま実家にて療養に入った(この時、当然の如く、専ら久女側からの意志で離婚問題が生じたことが年譜に記されてある)。この時の夫宇内との別居は約一年の及んでいる(小倉への帰還は大正十年七月)。]
松本城山の墓地に父の埋骨式、弟の墓と並ぶ
野菊はや咲いて露けし墓參道
墓の前の土に折りさす野菊かな
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