船 山之口貘
船
文明諸君
地球ののっかる
船をひとつ
なんとか発明出来ないことはないだろう
すったもんだのこの世の中から
地球をどこかへ
さらって行きたいじゃないか
[やぶちゃん注:【2014年7月10日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」と対比検証済。】初出は昭和二六(一九五一)年十月三十日発行の『三角帽子』第十号(林富士馬・西垣脩・絲屋鎌吉編。発行所は東京都世田谷区祖師谷「三角帽子社」。古書店「文月書林」にあるこの商品である)、翌十一月二十日号の『全日本教育新報』第三十三号にも再掲。後者の雑誌はその代表が岩手県出身の畑山浩(明治四三(一九一〇)年~?)なる人物であることがこちらの「詩と詩人のページ」内の叙述で判明した。畑山浩氏は昭和一一(一九三六)年に盛岡で『風底』を創刊、昭和一五(一九四〇)年には中国で『蘇州文学』発行、上海から帰国して三重を経て東京都立豊島高教諭、上海大・東洋大の講師などを勤め、後に日本教育聯盟総務部長・全日本教育新報代表となって教育指導に当たった。『歴程』同人とあるのだが、やや事蹟の錯綜感が気になる人物ではある。]
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