杉田久女句集 202 壁に動く秋日みつめて注射すむ
入院、隔日に食鹽注射
壁に動く秋日みつめて注射すむ
[やぶちゃん注:「食鹽注射」「鹽」は底本では「塩」であるが、筑摩書房昭和四二(一九六七)年刊「現代日本文学全集 巻九十一 現代俳句集」に所収する「杉田久女集」では「塩」の用字はなく、「かきならす鹽田ひろし夕千鳥」とある。「食鹽注射」は体液を補充するために生理的食塩水を注入することを指すが、所謂、現在の点滴の類いをかく言っているようには思われるが、もしかすると久女の病気は腎臓病であったことからは無塩に近い減塩食を与えられていたのを、これで最低限補助する目的もあったか。医家の御教授を乞うものである。]

