篠原鳳作句集 昭和一一(一九三六)年 病中 天地にす枯れ葵と我瘦せぬ / 夏瘦せの胸のほくろとまろねする
病中
天地にす枯れ葵と我瘦せぬ
夏瘦せの胸のほくろとまろねする
[やぶちゃん注:以上二句は鳳作没後の昭和一五(一九四〇)年に河出書房から刊行された「現代俳句」第三巻(と思われるもの)から、底本「篠原鳳作全句文集」俳句本編掉尾に配されてある。この最後の「夏瘦せの」の句は、しばしば鳳作の辞世の句であるかのように紹介されるようだが、私は実はあまりそう感じていない。寧ろ、辞世とするなら、先の、
蟻よバラを登りつめても陽が遠い
を採りたく思う。]
« 篠原鳳作句集 昭和一一(一九三六)年九月 蟻よバラを登りつめても陽が遠い | トップページ | 篠原鳳作初期作品(昭和五(一九三〇)年~昭和六(一九三一)年) Ⅰ »