篠原鳳作初期作品(昭和五(一九三〇)年~昭和六(一九三一)年) Ⅰ
篠原鳳作初期作品(昭和五(一九三〇)年~昭和六(一九三一)年)
[やぶちゃん注:引き続き、沖積舎平成一三(二〇〇一)年刊「篠原鳳作全句文集」の初期作品パートを電子化するが、同前の通り、恣意的に漢字を正字化して示した。]
ハタハタの影して黍にとまりけり
[やぶちゃん注:「ハタハタ」バッタ。既注。]
屋根替や加勢に見えし舟子共
千鳥釣る糸を伏せゆく渚かな
[やぶちゃん注:「千鳥釣る」以外であろうが、鳥のチドリ目チドリ亜目チドリ科 Charadriidae の千鳥の類は古くから肉が食用とされてきた。]
炎天は川涸れはてし蘇鐡木
墓參や昔ながらの小せせらぎ
せせらぎを飛びつ渉りつ墓參かな
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