飯田蛇笏 靈芝 昭和九年(百七句) Ⅴ
巖苔も濕りて芽吹く雜木かな
楤の芽に雲がかりして鹿臥せる
[やぶちゃん注:「楤」は底本では九画目の右払いがなく「勿」の字形である。「楤の芽」は「たらのめ」と読む。]
椿吸う雌に榛の枝の鵯の雄
[やぶちゃん注:「吸う」はママ。「榛」は既注のハシバミであるが、ここは「はり」と読んでいるか。]
花咲いてすずろに木瓜の雫かな
溪聲に山吹芽ぐむ雜木原
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巖苔も濕りて芽吹く雜木かな
楤の芽に雲がかりして鹿臥せる
[やぶちゃん注:「楤」は底本では九画目の右払いがなく「勿」の字形である。「楤の芽」は「たらのめ」と読む。]
椿吸う雌に榛の枝の鵯の雄
[やぶちゃん注:「吸う」はママ。「榛」は既注のハシバミであるが、ここは「はり」と読んでいるか。]
花咲いてすずろに木瓜の雫かな
溪聲に山吹芽ぐむ雜木原