飯田蛇笏 靈芝 昭和七年(七十二句) Ⅶ
蔬菜籠新らのおもたし露の日に
[やぶちゃん注:既に句集「霊芝」の全電子化を終えておられる
jin*ok*5*0 氏のブログ「日々の気持ちを短歌に」の「句集『霊芝』(6)(飯田蛇笏全句集より)昭和七年(六)」に「新らの」に「きらの」というルビが振られてある。しかし私が馬鹿なのか、意味が読み取れない。「新(き)」とは「生(き)」で新鮮な野菜の謂いか? それともその蔬菜に降りた朝露に朝日の指したその「綺羅」、輝きの謂いか? 識者の御教授を乞うものである。]
旭光にめぐりてやまぬ葦の露
秋霞みしてゐる瑠璃鳥や朴の先
[やぶちゃん注:「瑠璃鳥」これで「るり」と読ませているか。スズメ目ヒタキ科オオルリ Cyanoptila cyanomelana を指しているものと思われる。ウィキの「オオルリ」によれば、『低山帯から亜高山帯にかけての山地や丘陵に生息し、とくに渓流沿いのよく茂った森林に多く、飛翔している昆虫』やクモ類などを捕食する。『渓流沿いの岩壁や土壁のくぼみなどにコケを用いて巣をつく』り、縄張りを持っており、『林の中の湖のほとりや、牧場と林の境などでも見られる。繁殖期に雄は木の梢で豊富な声量でさえずる』。『日本へは夏鳥として渡来・繁殖し、冬季は東南アジアで越冬する。高い木の上で朗らかにさえずる。姿も囀りも美しい。』全長は約十六センチメートル、翼開長は約二十七
センチメートルで、『雄の背中は尾も含め光沢のある青で、尾の基部には左右に白斑がある。喉、顔は黒で腹は白い。雌は頭から尾にかけて背面が茶褐色で、喉と腹は白い。胸と脇が褐色。また、雄が美しい色彩になるには』二~三年を『要すると考えられ、若鳥時代の雄の羽色は雌の羽色と似た茶褐色で、背面の一部と風切羽及び尾羽に青色が表れているだけである。雌はキビタキの雌やコサメビタキなどに似ている』。『コルリ、ルリビタキなど共に、「青い鳥」御三家の一つで』、『地鳴きはクッ、クッ。さえずりは、美しい声でゆっくりとピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィと鳴く。雌もさえずることがある』とある。日本三鳴鳥(他はウグイスとコマドリ)の一つ、とある。辞書によれば伝統俳句ではこの種に特定して夏の季語とするらしい。囀りと映像はこちらなどで。]
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