夢を評す 山之口貘
夢を評す
またそのつぎからも
飛んでくる
そのつぎからも
飛んでくる
むかしの奥の方から
つぎつぎに飛び立って
つばさをひろげて
飛んでくる
美の絶頂を頭上に高く極めながら
つばさをひろげて
飛んでくる
飛んでくるのであるが
飛んでくるまでが夢なのか
飛んできては爆弾
飛んで来てはまた爆弾
いつもそこでとぎれるのだ
[やぶちゃん注:【2014年7月22日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」と対比検証済。注を追加した。】初出は昭和二三(一九四八)年八月号『芸術』。前掲「きゃべつ」注参照のこと。
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夢を評す
またそのつぎからも
飛んでくる
そのつぎからも
飛んでくる
むかしの奧の方から
つぎつぎに飛び立つて
つばさをひろげて
飛んでくる
美の絶頂を頭上に高く極めながら
つばさをひろげて
飛んでくる
飛んでくるのであるが
飛んでくるまでが夢なのか
飛んできては爆彈
飛んで來てはまた爆彈
いつもそこでとぎれるのだ
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