橋本多佳子句集「紅絲」 凍蝶抄 Ⅰ
句集「紅絲」
[やぶちゃん注:「こうし」と読む。昭和二六(一九五一)年六月一日交目黒書店刊。昭和二二(一九四七)年から同二十六年までの作品四百十三句を収録する。序文は山口誓子。誓子の序文は著作権存続中のため、省略する。なお、これ以降の句集は戦後の作であることから、新字体とする。]
凍蝶抄
凍蝶に指ふるゝまでちかづきぬ
凍蝶も記憶の蝶も翅を欠き
凍蝶を容(い)れて十指をさしあはす
凍蝶のきりきりのぼる虛空かな
« 杉田久女句集 216 再び入院 大正9(1920)年10月 | トップページ | 篠原鳳作初期作品(昭和五(一九三〇)年~昭和六(一九三一)年) ⅩⅥ »