橋本多佳子句集「紅絲」 沼 Ⅱ
冬の日を鴉が行つて落して了ふ
風の中枯蘆の中出でたくなし
子を思ふとき詩を欲るときを枯木立つ
枝交へ枯れし柘榴と枯れし桜と
威し銃おどろきたるは吾のみか
威し銃おろかにも二発目をうつ
[やぶちゃん注:これら一連の句群には明らかに今まで多佳子が用いたことのない口語的発想や新しい表現方法を模索しようとしている跡がありありと見えるが、未だうまくはいっていない。]
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