橋本多佳子句集「紅絲」 凍蝶抄 Ⅳ
かじかみて脚抱き寢るか毛もの等(ら)も
鶏と猫雪ふる夕べ食べ足りて
猫歩む月光の雪かげの雪
みぞれ雪涙にかぎりありにけり
暮れてゆく樹々よこの雪は積らむ
[やぶちゃん注:やや読みが不詳。「くれてゆく//きぎよ/この/ゆきは//つもるらむ」と私は読むが、暫く御批判を俟つ。]
ねむたさの稚児(ちご)の手ぬくし雪こんこん
燃ゆる薪雪に置かれて焰立つ
牡丹雪さはりしものにとゞまりぬ
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