オール・スター・キャスト夢(地震にて中断さる)
図書館を併設した特殊な施設のレストランである。【省略したが途中で私が手洗いに中座するシーンがあり、何故かごった返す図書館で迷うシーンがある。】
私はアメリカとロシア合同のクリスマス・パーティに出席している。
オバマもプーチンもメドヴェージェフもいる。
松田優作が、加山雄三が、シュワルツェネッガーが、トミー・リー・ジョーンズもいる。
加山雄三が「君といつまでも」を歌い、シュワルツェネッガーが「ターミネター2」の善玉のそれの衣裳でポーズをとり、トミー・リー・ジョーンズはデビュー作の「ある愛の詩」の頃の面立ちである。【優作は死後に急激に好きになった。ごっつい顔のトミーは昔から私のお気に入りの俳優である。】
私は同じテーブルの松田勇作と、天才マジシャンのアメリカの少年、ロシアのUFOを中心とした超常現象を専門とするサイトを運営する青年【架空人物である】、見知らぬ謎の日本人の美少女【7歳ぐらいか。白と黒のチェックを着ていた。これは多分、私の母だろうと思う。】らと親しくなる。
松田優作が例の斜に構えた感じで寡黙なのだが、そこがまた如何にも魅力的であった。
優作は彼の得意芸とするというキャベツの丸かじりというのを僕らの前で演じてくれたりする。ふて腐れたはねっかえりを演じながら、キャベツを丸ごと二個も齧るのである。【この訳の分からないシーンの面白さを忘れたくないためにこの夢記述をしたと言ってもよい】
優作は彼の得意芸とするというキャベツの丸かじりというのを僕らの前で演じてくれたりする。ふて腐れたはねっかえりを演じながら、キャベツを丸ごと二個も齧るのである。【この訳の分からないシーンの面白さを忘れたくないためにこの夢記述をしたと言ってもよい】
終わり頃になって、中座していた松田優作が、ボルサリーノを被ってサングラスに白い背広姿で「ブラック・レイン」の極悪の佐藤よろしく登場、ロシア側の席に近寄ると、やおら同国要人に自動小銃を向ける。相手は背を向けて手を挙げロシア語で叫び、場内は騒然とする。
レーザー・ポイントが男の背中で細かに揺れている。
あのクールな表情のまま、優作は自動小銃を撃つ。
と、それは黄色いマスタードを
「ぴゅう!」
と音を立てて【この音を珍しく私は覚えている】)射出する。
レーザー・ポイントが男の背中で細かに揺れている。
あのクールな表情のまま、優作は自動小銃を撃つ。
と、それは黄色いマスタードを
「ぴゅう!」
と音を立てて【この音を珍しく私は覚えている】)射出する。
優作はそれで、要人の背広の背中にロシア語と英語で
「メリー・クリスマス!」
と綺麗に書き上げ、また、口をとんがらした表情のまま僕らの席に戻ってくるのである。
ところが、どうもロシア側が今の演出を過剰だと抗議を始め、結局、優作はプロダクションから呼び出しを受けて、相変わらず口を尖らしたまま、憤然と会場を去ってゆく。
私と少女がそれを見送る。
優作がまさにあの感じで、黙ったまま、少女にあの長い右掌を高々と掲げて「またな!」という感じで挨拶をした。
エントランスを消えてゆく優作の背中――
/で/
――結構な揺れで眼が覚めた。地震の間、まだ横になっていた。初期微動が長いから大丈夫だなどと眠ろうとしたが、夢の続きが見られないのが癪に障ったので、丁度、地震が終わった頃に起き出し、これを書き上げた。如何にもギャラが目も眩むような夢であった――――
「メリー・クリスマス!」
と綺麗に書き上げ、また、口をとんがらした表情のまま僕らの席に戻ってくるのである。
ところが、どうもロシア側が今の演出を過剰だと抗議を始め、結局、優作はプロダクションから呼び出しを受けて、相変わらず口を尖らしたまま、憤然と会場を去ってゆく。
私と少女がそれを見送る。
優作がまさにあの感じで、黙ったまま、少女にあの長い右掌を高々と掲げて「またな!」という感じで挨拶をした。
エントランスを消えてゆく優作の背中――
/で/
――結構な揺れで眼が覚めた。地震の間、まだ横になっていた。初期微動が長いから大丈夫だなどと眠ろうとしたが、夢の続きが見られないのが癪に障ったので、丁度、地震が終わった頃に起き出し、これを書き上げた。如何にもギャラが目も眩むような夢であった――――
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