篠原鳳作初期作品(昭和五(一九三〇)年~昭和六(一九三一)年) Ⅸ
甲板をあるきて春を惜しみけり
雪の峰大海原に映りけり
颱風に折れ伏す甘蔗となりにけり
柵經の僧をのせたる獨木舟(クリギ)かな
[やぶちゃん注:「柵經」不詳。これは棚経(たなぎやう(たなぎょう))の誤りで、盂蘭盆会の際に僧侶が精霊棚の前で読経することではあるまいか?]
犬つれて岬の春を惜しみけり
松風の絶えてはさびし月照忌
[やぶちゃん注:「月照忌」既注。]
流灯の橋をくぐりてゆきにけり
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甲板をあるきて春を惜しみけり
雪の峰大海原に映りけり
颱風に折れ伏す甘蔗となりにけり
柵經の僧をのせたる獨木舟(クリギ)かな
[やぶちゃん注:「柵經」不詳。これは棚経(たなぎやう(たなぎょう))の誤りで、盂蘭盆会の際に僧侶が精霊棚の前で読経することではあるまいか?]
犬つれて岬の春を惜しみけり
松風の絶えてはさびし月照忌
[やぶちゃん注:「月照忌」既注。]
流灯の橋をくぐりてゆきにけり