橋本多佳子句集「紅絲」 冬の旅 Ⅱ 金沢へ(3)
まくなぎの位置さだまらず雪の上
[やぶちゃん注:「まくなぎ」目配せ。]
雪激し一つの地窪埋めむため
松村泰枝さんの許にて
梳(くしけづ)りゐて雪嶺の照る曇る
馴るゝまで雪夜の枕うちかへし
雪の昼ねむし神より魔に愛され
芳江ちやんすでに小学生、別れる朝バス迄
送つて呉れる
雪の日の登校クレヨン画大切に
(一九五〇、一)
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