杉田久女句集 239 花衣 Ⅶ
蕗の薹ふみてゆききや善き隣
甦る春の地靈や蕗の薹
[やぶちゃん注:角川書店昭和四四(一九六九)年刊「杉田久女句集」では以上二句は昭和七(一九三二)年のパートに置かれている。]
蘆の芽のひらき初むれば初袷
水上へうつす歩みや濃山吹
[やぶちゃん注:「濃山吹」は「こやまぶき」と読む。八重山吹(バラ目バラ科バラ亜科ヤマブキ属ヤマブキ
Kerria japonica 品種ヤエヤマブキ Kerria japonica f. plena )の中でも、特に花の黄色が鮮やかなものを指す。]
百合根分鍬切りし芽を惜しと思ふ
[やぶちゃん注:この句は角川書店昭和四四(一九六九)年刊「杉田久女句集」では昭和八(一九三三)年のパートに置かれている。]
筆とりて門邊の草も摘む氣なし
晴天に芽ぐみ來し枝をふれあへる

