秋の學び屋 山之口貘
秋の學び屋
その日その日に
堅かれ……
意志よ
嚴肅に
若き強き
若人の心は
藝術家、實業家―――
それ等の新芽は
緊張の中に崩え………
おゝ靜かに
若き人等の
限りなき力に
柔順な微風も慕ふ
[やぶちゃん注:大正一〇(一九二一)年十二月一日附『八重山新報』に「佐武路」のペン・ネームで掲載された。底本は十行目を、
緊張の中に萌え………
とし、解題に、『掲載紙本文では「緊張の中に崩え」である。しかし文脈上「崩」を誤植とみなし、』『「萌」に修正した』旨の記載がある。この判断は恐らく正しいと思われるが、「崩え」は「くえ」と普通に読め、それは堅い蕾が綻び崩れて開く意味として採れないことはない。無論、詩全体の自然な内在律から言えば「萌え」であった方がすんなりは読める。草稿がない以上、ここは私はママとすることにした。]
« 今日のシンクロニティ「奥の細道」の旅13 殺生石 石の香や夏草赤く露あつし | トップページ | 杉田久女句集 235 花衣 Ⅲ 身の上の相似て親し櫻貝 »

