杉田久女句集 251 花衣 ⅩⅨ 冬凪げる瀨戸の比賣宮ふしをがみ / 初凪げる和布刈の磴に下りたてり
冬凪げる瀨戸の比賣宮ふしをがみ
[やぶちゃん注:「瀨戸の比賣宮」 福岡県宗像市田島にある全国の弁天の総本宮ともされ、裏伊勢とも称される宗像三女神を祀る宗像大社(むなかたたいしゃ)。「瀨戸」は現在の福岡県宗像市の古称。「比賣宮」は「ひめみや」と読み、比売は宗像三女神を指す。]
初凪げる和布刈の磴に下りたてり
[やぶちゃん注:「初凪げる和布刈の磴に下りたてり」は「はつなげるめかりのとうにおりたてり」と読む。「和布刈」は福岡県北九州市門司区門司にある和布刈(めかり)神社のこと。ウィキの「和布刈神社」に、『神社名となっている「和布刈」とは「ワカメを刈る」の意であり、毎年旧暦元旦の未明に三人の神職がそれぞれ松明、手桶、鎌を持って神社の前の関門海峡に入り、海岸でワカメを刈り採って、神前に供える「和布刈神事」(めかりしんじ)が行われる』。和銅三(七一〇)年には『神事で供えられたワカメが朝廷に献上されているとの記述が残って』おり、現在、この神事は『福岡県の無形文化財に指定されている』とある。因みにこの神事、私には中学生の頃に貪るように読んだ松本清張の一作「時間の習俗」以来、耳馴染みの神事である。「磴」は同神社の階(きざはし)の謂い。私は実は行ったことがないのだが、壇ノ浦に面した海岸に鳥居が建っており、そこから石段が社殿に向かって延びているのがネット上の写真で確認出来る。]
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