世紀 山之口貘
世紀
まはれ右の出來ない
血眼の世紀よ
なにをその眼で見たいのか
背にはいくつもの重い荷を負ひ
世紀よ
おまへは血眼で
前へ
前へとつんのめつた。
[やぶちゃん注:昭和一三(一九三八)年十二月号『文藝』。バクさんはこの二ヶ月前の八月、国文学雑誌『むらさき』の編集長小笹功氏の斡旋でむらさき出版部より処女詩集「思辨の苑」を刊行している。バクさん三十五歳。]
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世紀
まはれ右の出來ない
血眼の世紀よ
なにをその眼で見たいのか
背にはいくつもの重い荷を負ひ
世紀よ
おまへは血眼で
前へ
前へとつんのめつた。
[やぶちゃん注:昭和一三(一九三八)年十二月号『文藝』。バクさんはこの二ヶ月前の八月、国文学雑誌『むらさき』の編集長小笹功氏の斡旋でむらさき出版部より処女詩集「思辨の苑」を刊行している。バクさん三十五歳。]