ひとりで…… 山之口貘
ひとりで……
坊やは 大きく
なつたのね。
ひとりで おくつも はけるわね。
ずいぶん おりこうさんに、
なつたのね。
おくつを はいたら のこのこと、
ママと ふたりで
散歩でしょう。
パパは おうちで
おるすばん。
[やぶちゃん注:[やぶちゃん注:既刊詩集未収録詩篇の児童詩の一篇。思潮社版全集の「第四巻 評論」(一九七八年刊)の中に追記して作られた「児童詩」パートにある。巻末の「掲載誌一覧」によれば、昭和三〇(一九五五)年十一月号『おかあさんの友』掲載の児童詩である。但し、この雑誌、出版社が示されておらず、ネット上の検索でも掛からなかったが、思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」の解題に、昭和三〇(一九五五)年十一月号『幼稚園 特集(保育テキスト おかあさんの友)』第八巻第八号(十一月一日発行)で、小学館発行であることが判った。]