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2014/07/02

萩原朔太郎「ソライロノハナ」より「何處へ行く」(24) 酒場の一隅より(Ⅳ)

 

わが隱袋(かくし)かの色文とピストルと

爭ひつゝも七日共棲む

 

[やぶちゃん注:「隱袋」は原本は「隱衣」。誤字と断じて、校訂本文と同じく「隱袋」とした。]

 

きちがひになりたくなりて爪屑を

火鉢にくべて見て居たるかな

 

[やぶちゃん注:爪を焼く香りは火葬場の臭いとはよくいう(当然である)が、個人サイト「鰹乃國の万談義」のこちらの「おぢやん おばやんの言い伝え」の記事の中に土佐では「爪を燃やすと貧乏になる」「爪を燃やすと気がふれる」ともいうらしい。]

 

わがために二二ンが五たるそのことの

ある日を思ひ生くる愚かさ

 

[やぶちゃん注:「思ひ生くる愚かさ」は原本は「思ひ生ぐる禺かさ」。孰れも誤字と断じて校訂本文を採った。]

 

横町のぼんくら安も人竝み

我を説かんと日をおきて來る

 

我が髮をわれとむしれる習慣(なはらし)の

久しくなれば櫛も通らず

 

[やぶちゃん注:私ことながら、この一首、タイプしながら、私が小学校三年生の頃、一時、眉毛を引き毟る神経症的な癖が起こり、遂に右眉が半分位なくなってしまい、母が眉描きで描いて呉れたのを思い出した。]

 

EGOIST われも酒場によこたはり

將棊に負けしことを悲しむ

 

[やぶちゃん注:「將棊」の「棊」は「棋」の異体字。]

 

 新思想と國體

新しき此の國の人犬のごと

口籠(くちご)せられて生くるはかなさ

 

わが酒場かの黨員と日毎きて

カルタきるより樂しきはなし

 

[やぶちゃん注:いつもと同じく、最後の一首の次行に、前の「樂しきはなし」の「樂」の左位置から下方に向って、最後に以前に示した黒い二個の四角と長方形の特殊なバーが配されて、「酒場の一隅より」歌群の終了を示している。]

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