橋本多佳子句集「紅絲」 月明
月明
一燈なく唐招提寺月明に
野の猫が月の伽藍をぬけとほる
百姓や月の白壁惜しみなく
薬師寺
月天へ塔は裳階(もこし)をかさねゆく
月光に朱(あけ)うばはれず柱立つ
月光のいまも黒髪老いつゝあらむ
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月明
一燈なく唐招提寺月明に
野の猫が月の伽藍をぬけとほる
百姓や月の白壁惜しみなく
薬師寺
月天へ塔は裳階(もこし)をかさねゆく
月光に朱(あけ)うばはれず柱立つ
月光のいまも黒髪老いつゝあらむ