生物學講話 丘淺次郎 第十一章 雌雄の別 三 局部の別 (4)
普通の魚類は前にも述べた通り體外受精をするから、交接器を具へる必要はないが、「さめ」・「あかえひ」の類は例外で、これらはすべて雌雄交接し、卵は必ず雌の體内で受精する。多くは卵生であるが胎生する種類も決して少くない。雄の交接器は腹鰭の後邊にある左右一對の棒狀の器官で、交接のときには雄はこれを雌の輸卵管の末部に插し入れ、體を輪の如くに曲げて暫時雌の體に卷き附いて居る。されば同じ魚類でも、「こひ」や「ふな」の雌雄は一寸判斷しにくいが、「さめ」や「あかえひ」ならば、體の外面にある交接器の有無によつて、一目でその性を知ることが出來る。
[やぶちゃん注:個人サイト(解剖学が御専門の方らしい)「Good Anatomy
of Shaks」の「生殖器」のページが詳しい。恐らく、サメの学術的解剖の纏まったサイトはここしかあるまい。実に素晴らしい(当然、解剖画像も豊富に附されてあるので閲覧には注意されたい)。]
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