日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第十四章 函館及び東京への帰還 16 鹿又から松島へ(Ⅰ) 素敵な欄間窓
図―456
私は我々が通過した町々の建築法に、非常な変化があり、家の破風端に梁が変な具合に並べてあるのに気がついた。図455に示したものは典型的で、スイスの絵画的な建築を思わせた。自然そのままの木材は、いう迄もなく、年代で鼠色になっていた。我々は非常な勢で走って来たので、ゆっくり写生するだけの時間が無かったが、街道いたる所の家に美事な木細工がしてあるのには注目した。一階の上にある長い張出窓には、図456に示すように、松、竹、その他をすかしぼりにした繊美な木細工が、ちょいちょい見られる。
[やぶちゃん注:日本の民家にのみ見られる欄間窓と呼ばれるものである。「我々が通過した町々」とは、前後の文脈から、船旅を終えて鹿又から松島に至る途中での嘱目と分かる。当地にお住いの方や郷土史研究家の方で、この図にある欄間窓に見覚えがある方はおられないであろうか?]
« 今日のシンクロニティ「奥の細道」の旅 55 村上 小鯛さす柳涼しや海士が妻 | トップページ | 日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第十四章 函館及び東京への帰還 17 鹿又から松島へ(Ⅱ) 煽り »