環境省は東宝怪獣映画の科学者並である
外部からの移入種は見た目の環境を破壊しなくても、生態系全体の遺伝子プールに甚大な攪乱を引き起こすから、これは駆除しなくてはならぬ。しかし、その場合、人海戦術で慎重にマニュアルな駆除をしなければならぬ。温水流入を遮断して水温を一気に下げて駆除するという、この野蛮な非科学的方法(まるで東宝特撮映画で科学者が怪獣を撃退するのにやらかしそうなことだ)が立派な「環境破壊」であることに環境省は何故気づかないのか?! それによってカワニナやその他の微小生物が同時に絶滅する。――環境破壊を防ぐという名目で人為が加えられることによって、更なる致命的な環境破壊が連鎖的に生じてしまうという、人類の愚行の象徴がこの一件にはっきりと現われている。
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朝日新聞デジタル記事
長野)上高地の外来ホタル駆除へ 環境省
http://digital.asahi.com/articles/ASG494W3NG49UOOB00P.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG494W3NG49UOOB00P
北アルプス・上高地(松本市)に生息する外来種のゲンジボタルについて、環境省が駆除に乗り出すことが9日、分かった。同省上高地自然保護官事務所は「本来そこに存在しないはずのホタルが、外部から持ち込まれたとみられる。放置すれば、生態系に悪影響を及ぼす可能性がある」と話している。
安曇野市のNPO「野生生物資料情報室」(植松晃岳代表)によると、ゲンジボタルは上高地の河童(かっぱ)橋から梓川沿いに約1・2キロ下った池周辺に数百~数千匹生息。NPOは4年前に調査結果を発表し、同省に駆除を提案していた。
上高地は中部山岳国立公園の特別保護地区で、国の特別名勝や特別天然記念物に指定されており、現状変更には許可が必要。同省は、温泉水が水路を通じて池に流れ込み、ゲンジボタルの生息に適した環境が出現していると判断。温かい水の流入を止め、池の水温が下げることで駆除する方法を検討中という。
NPOによると、ゲンジボタルは2000年ごろ、確認された。6月末~7月は夜空に光るホタルが鑑賞できるため、10年ほど前から、宿泊施設がガイドツアーを企画している。
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